サブドメインのSEOへの影響|サブディレクトリとの違いを解説
サブドメインとサブディレクトリ、どちらも「サブ」と付いているため、ルートドメインの補助的な役割のように考えてしまう人がいます。しかし、この二つは全く異なる位置付けであるため、運用の際にはそれぞれの果たす役割を把握しておくことが必要です。
そこで今回は、サブドメインとサブディレクトリの違いやSEOへ与える影響、それぞれのメリットについて解説します。二つの正しい使い分け方についても解説するため、どちらを使ってサイトを公開するか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
1.サブドメインとは
そもそも「ドメイン」とは、Webサイトやメールなどのインターネット上における住所のことであり、個別に割り当てられた文字列のことを「ルートドメイン」と呼びます。
一方で、「サブドメイン」とは、下記のように「ルートドメイン」の前へもう一つの文字列を付け加えて、複数のサイトに派生させる役割を持つものです。
ルートドメイン | https://example.com |
---|---|
サブドメイン | https://サブドメイン.example.com |
サブドメインで作成されたサイトは、検索エンジンからはルートドメインとの関連性を把握されながらも別サイト扱いされ、サイトごとに評価されます。そのため、サイトの管理者が同一ながら、メインサイトとは異なるテーマやサービスを主軸に据えたサイト展開を始める場合に使用することが一般的です。
1-1.サブドメインとサブディレクトリの違い
「サブディレクトリ」はサブドメインとは異なり、ドメインと「/」で区切られた後に、付け加えられた文字列のことです。
ルートドメイン | https://example.com |
---|---|
サブディレクトリ | https://example.com/サブディレクトリ/ |
上記の場合、サブディレクトリはルートドメインと同じメインサイト内に存在する、「カテゴリ」の一つとしての位置付けとなり、サブディレクトリはサブドメインの中にも作成が可能です。
新しいテーマで一からサイトを作る際に向いているサブドメインとは異なり、サブディレクトリは既存のサイト内を本棚で分けていく際に向いています。
あるいは、ルートドメインは本家、サブドメインは分家、サブディレクトリはそれぞれの家の部屋割りと考えると分かりやすいでしょう。
2.サブドメイン・サブディレクトリが与えるSEOへの影響
基本的に、サブドメインとサブディレクトリの使用そのものは、SEO評価に大きな影響を及ぼすことはありません。「どちらを使用するかによって特別な有利・不利はない」ということがGoogleの公式見解です。
サブドメインとサブディレクトリでは、それぞれの持つ役割や位置付けが異なります。サブドメインはメインサイトから派生した新規サイト、サブディレクトリは既存サイト構造内の新しいカテゴリです。
双方を正しく使い分けることができれば、結果的によいSEO効果を得ることは可能でしょう。
サブドメインで作成したサイトはメインサイトとは異なるサイトと認識され、評価されます。そのため、通常の新規サイトと同様に、ドメイン自体の力は低い状態からの出発となり、ルートドメインへの影響も微々たるものです。
しかし、ルートドメインの力が高ければ、メインサイトから新規サイトへ向けてリンクを貼ることで、SEO効果につなげることが期待できます。また、派生サイトということで、ルートドメインの評価を多少受け継ぐことも可能です。
ただし、リンクによるSEO効果を得るためには、ルートドメインそのものに力があることと、双方のサイトにある程度の関連性があることが絶対条件となっています。
つまり、通常の被リンク獲得によって得られるSEO効果と大差ありません。
サブディレクトリは、サイト内を構成するカテゴリを増やすことでコンテンツを充実させ、ドメイン力を高めることにつながります。しかし、サイトが扱うテーマとあまりにかけ離れている場合、サイトの統一性や専門性が低いと判断され検索順位が低下するケースもあるため、注意が必要です。
3.サブドメインとサブディレクトリのメリット
サイトやページを作成する場合、新規のドメインを取得したり、サイト内にそのままページを追加したりすることが可能です。さらに、サブドメインやサブディレクトリを用いることで、より多くのメリットを受けられるでしょう。
ここでは、サブドメインとサブディレクトリの代表的なメリットについて解説します。
3-1.サブドメインのメリット
サブドメインを利用することによって得られるメリットは、以下の通りです。
●コストの抑制
新規サイトを展開する度にドメインも個別に新しく取得するとなると、その分何倍もの手間と費用が必要となります。しかし、サブドメインを設定することで、新ドメインを取得する場合よりも取得や管理にかかる手間や費用を節約することが可能です。
ただし、サブドメインの設定数に制限があったり、追加料金が発生したりする場合があります。サーバー会社ごとに契約内容が異なるため、事前に確認しましょう。
●ブランディングに有利
メインサイトが築き上げてきたイメージや信頼を引き継ぐことが可能です。
サイトのテーマが異なっていても運営元のドメインが同じであれば、双方のサイト閲覧者からは同一ブランドの関連サイトであると認識されやすくなります。
3-2.サブディレクトリのメリット
サブディレクトリを利用することによって得られるメリットは、以下の通りです。
●サイトを支持するユーザーの増加
サブディレクトリは、サイトが掲げるテーマの中で専門性が高く独立性のあるカテゴリとして運用できます。ピンポイントに記事を増やすことで、よりコアな情報を欲しているユーザーからの支持を得やすくなることが魅力です。
●SEOの評価を向上
サブディレクトリはメインサイトの一部であるため、サブディレクトリ内のコンテンツがGoogleにインデックスされることで、ルートドメインの強化につながるでしょう。
また、サブディレクトリ内のページが被リンクされることは、ルートドメインの被リンク数にプラスされることとなり、SEO対策として好影響を与えます。
4.サブドメインとサブディレクトリの使い分け方
サブドメインとサブディレクトリで、どちらを使うか迷った場合には、それぞれの用途や位置付けの差から判断することが大切です。
最後に、サブドメインとサブディレクトリの使い分け方について解説します。
●サブドメインの使い道
サブドメインは、運営・管理会社が同一で、テーマが異なるサイトを複数運営したい場合におすすめです。
メインとなるサイトと共通点の少ないテーマやサービスをサブディレクトリで運用してしまうと、Googleからは統一性のないサイトであると評価される可能性があります。
また、異なるテーマの記事を増やすことで、ユーザーからは専門性の低いサイトであると判断されかねません。
例えば、グルメを取り扱っているサイトとは別に、ダイエットを主軸に取り扱うサイトを運営するときなどにサブドメインを使用するとよいでしょう。
●サブディレクトリの使い道
サブディレクトリは、既存のサイトが掲げるテーマ内に位置付けられる情報や、共通点が多い情報を取り扱う場合に使います。サイトの取り扱うカテゴリの一つとして、関連性の高い情報を増やすことは、コンテンツの充実度を高める効果が期待できるためです。
例えば、グルメをテーマにしたサイトであれば、「麺類」と「ご飯物」にカテゴリ分けを行い、それぞれに記事を増産するといった利用法が考えられます。
情報の主軸となるテーマに共通点が多いということは、情報を欲してサイトに訪れるユーザー層も似通っているケースが少なくありません。
また、アクセス情報などを一元化することで、効率よく戦略を練ることも可能です。
まとめ
サブドメインは既存のサイトから派生した新規サイトのことを指し、サブディレクトリは既存のサイト内にあるカテゴリの一つを指します。
コンテンツそのものの評価を考えれば、どちらでサイトを運用してもSEOに大きな差は生じません。
しかし、既存のサイトと組み合わせて考えた場合、取り扱うテーマの方向性によっては互いに影響を与えます。
サブドメイン・サブディレクトリのメリットはそれぞれ異なるため、まずは新しく作るコンテンツのテーマや目的を明確にすることで、どちらを使うべきか判断しましょう。