静的ページと動的ページとは|それぞれのメリット・デメリットも
Webサイトを運営する際、静的ページと動的ページの違いやSEOへの影響について、気になる方も多いのではないでしょうか。
静的ページと動的ページの違いは、SEOだけでなくWebサイトの利便性やユーザーの満足度にも影響するため、Webサイトの担当者は理解しておくことが重要です。
今回は、静的ページと動的ページの概要を解説します。メリット・デメリットなども併せて解説するため、静的ページと動的ページについて詳しく知りたい方は参考にしてください。
1.静的ページと動的ページの概要
静的ページとは、表示されるコンテンツが常に同じWebページのことです。Webページにアクセスしたユーザーの閲覧環境が異なる場合でも、表示される情報は変化しないため、「静的」と表現されます。
静的ページの表示内容を指定するソースコードは、HTMLと呼ばれる形式のデータとしてサーバー上にアップされていることが一般的です。ユーザーが静的ページのURLにアクセスすると、HTMLデータがサーバーからブラウザにそのまま送信され、文章や画像などが表示されます。
一方、動的ページとはユーザーの環境によって異なる情報が表示されるWebページのことです。ユーザーが使用するブラウザの状況や、ユーザーからの入力情報によって表示される情報が変化するため、「動的」と表現されます。
動的ページの表示内容を指定するソースコードは、静的ページのような形ではサーバー上にアップされていません。ユーザーが動的ページのURLにアクセスするたびに、サーバー上のプログラムによってHTMLデータが生成され、ブラウザ上に文章や画像などが表示されます。
2.静的ページと動的ページのメリットとデメリットとは?
静的ページと動的ページにはそれぞれメリット・デメリットがあるため、特性を理解したうえで導入することが大切です。静的ページと動的ページは、ページの表示速度やセキュリティ面、表示できる内容などに違いがあります。
ここでは、静的ページと動的ページのメリット・デメリットについて解説します。
2-1.静的ページのメリット
静的ページは、サーバー上にHTMLデータが配置されただけのシンプルな仕組みのため、以下のようなメリットがあります。
〇メリット1:表示速度を速められる
静的ページは、動的ページと比較して表示速度に優れている点が特徴です。
静的ページを表示する際は、サーバーとブラウザの間でデータの送受信のみが実行されます。そのため、静的ページではサーバーで実行される処理数が動的ページよりも少なく、コンテンツの読み込みと表示までにかかる時間が短い傾向です。
〇メリット2:セキュリティ対策がしやすい
静的ページだけで構成されたWebサイトは、動的ページと比較して簡単にセキュリティ対策ができます。
Webサイトの情報改ざんや不正アクセスなどの行為は、入力フォームやデータベースの脆弱性を利用される傾向です。しかし、静的ページだけで構成されたWebサイトはデータベースを持たないため、セキュリティ対策の手間がかかりません。
2-2.静的ページのデメリット
静的ページは、あらかじめHTMLファイルに記述された内容しか表示できないため、以下のようなデメリットがあります。
〇デメリット1:情報をリアルタイムで更新することが難しい
静的ページでは、情報を更新する際にHTMLの書き換えが必要です。そのため、情報の更新を自動化できる動的ページと比較して、作業の手間が増えやすくなります。
また、最新情報の更新頻度が高いWebサイトの場合、静的ページの導入は避けましょう。商品の在庫数や宿泊施設の空室状況などの情報は、静的ページでリアルタイムに表示することができません。
〇デメリット2:ユーザーのニーズに合った内容を表示できない
静的ページは、Webサイトへアクセスしたユーザーごとに異なる内容を表示できない点がデメリットです。常に同じコンテンツしか表示できない静的ページでは、ユーザーのニーズを満たせない場合があります。
2-3.動的ページのメリット
動的ページのメリットは以下の2つです。
〇メリット1:ユーザーのニーズに合った内容を表示できる
動的ページは、ユーザーのブラウザ環境やWebサイト上での操作によって、表示するコンテンツを変えられます。そのため、ユーザーのニーズに合った最適な内容を表示することが可能です。
動的ページなら、ユーザーが好きなカラーを選択すると条件に当てはまる商品情報が表示されるなどの機能が実装できます。
〇メリット2:最新情報を表示できる
動的ページは、ユーザーがアクセスするたびにページ内容が生成されるため、最新情報を表示することが可能です。
動的ページでは、最新情報の反映がプログラムによって自動的に行われます。そのため、情報が新しくなるたびに手作業でソースコードを変更する必要はありません。
2-4.動的ページのデメリット
動的ページは幅広い機能が実現できる一方で、以下のようなデメリットがあります。
〇デメリット1:サーバーに負荷がかかる
動的ページは、ユーザーがアクセスするたびにコンテンツが生成されるため、サーバーに負荷がかかりやすい傾向です。アクセスが集中したときに過剰な負荷が発生した場合、サーバーダウンによってWebサイトを閲覧できなくなるリスクもあります。
また、高い負荷に耐えられる高機能なサーバーは、通常のサーバーと比較して利用コストも高くなることが一般的です。
〇デメリット2:重複したコンテンツが発生する可能性がある
動的ページを含むWebサイトでは、内容の大部分が重複したコンテンツが複数発生する可能性もあります。
検索エンジンのアルゴリズムは、重複コンテンツのあるWebサイトを低く評価し、表示順位を下げる傾向です。そのため、重複コンテンツの発生を防ぐためにも、動的ページではリダイレクトやタグを利用した対策が必要となります。
3.動的ページには「PHP」の理解が必須
PHPとは、動的ページを作る際に使用されるプログラム言語です。動的ページをWebサイトに導入する際は、PHPの理解が必須となります。
PHPによって書かれたプログラムの役割は、サーバー上のデータベースやユーザー側からの入力を参照して、ブラウザに表示できるHTML形式のデータを生成することです。PHPを使ったプログラミングを理解すれば、動的ページを自由に作ることができます。
ただし、PHPを学習しない場合でも、PHPを使った動的ページを利用することは可能です。自動的にコンテンツを生成できるCMSツールを使用すれば、初心者やプログラミングスキルがない方でも動的ページを作成したり、管理したりできます。
PHPが使用される主な場面は、ユーザーからの投稿を受け付けるSNSや掲示板サイト、口コミサイトなどです。また、商品注文システムを備えたECサイトや、予約フォームのあるWebサイトでもPHPで書かれたスクリプトが使用されています。
4.静的ページのほうがSEOには有利?
Google検索で自社のWebサイトを上位表示させるSEO対策においては、静的ページのほうが有利と考えられています。
Google検索のガイドラインでは、よりシンプルなURL構造が推奨されています。動的ページは、ページ生成に必要なURLパラメーターが複数含まれるため、静的ページよりもURL構造が複雑です。一方、静的ページのURLはドメインとディレクトリ、HTMLファイルの名前だけで構成されます。
ただし、Googleの検索結果の上位には動的ページが掲載されているケースも多いため、必ずしも静的ページのSEO効果が高いとは限りません。いずれのページを導入する場合も、事前によく検討することが重要です。
まとめ
Webページは、機能によって静的ページと動的ページの2種類に分けられます。静的ページは、あらかじめソースコードに記述された内容がそのまま表示される一方、動的ページはユーザーの入力情報などが反映されることが特徴です。
静的ページと動的ページにはメリットとデメリットがあるため、導入する際は特徴を理解することが重要となります。動的ページを作成したい場合は、PHPによる実装が必須です。
動的ページを導入する際は、動的ページで実現したい機能や、SEOへの影響を加味して検討してみてはいかがでしょうか。
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