SEO内部対策とは?必ずやっておきたい効果的な対策
SEO(検索エンジン最適化)の内部対策は実施コストがかからず、無料で試せるマーケティング手法です。しかし、SEOの内部対策にはさまざまな手法があるため、「なにから手をつければよいか」「そもそも内部対策とはなにか」といった部分でつまずく方もいるのではないでしょうか。
当記事では、SEOの内部対策の基礎知識を解説します。Webサイトやブログの検索順位を上げたいWeb担当者や、集客力を高める施策を模索しているWebマーケティング担当者は、ぜひ参考にしてください。
1.内部対策や外部対策の違いや目的
WebサイトのSEO対策は、大きく分けて「内部対策」と「外部対策」、「コンテンツSEO」の3つに分けられます。Webサイトを検索上位に表示させるために、それぞれが重要な役割を担っています。
「内部対策」と「外部対策」は対策をする範囲が異なります。内部対策はサイトの内部を整え、Googleに適切に評価してもらうための対策を施す対策です。外部対策は外部のサイトから自社サイトの評価を高め、自社サイトの信頼性を高めるために行う対策のことを言います。
内部施策や外部施策の対策内容の違いは、下記の通りです。
対策範囲 | 対策内容 | |
---|---|---|
内部対策 | サイト内部 |
|
外部対策 | サイト外部 |
|
もう1つのSEO対策である「コンテンツSEO」は、効果的なキーワード選定・競合分析をした上でユーザーニーズを満たすコンテンツを作成するSEO対策です。
2.SEOの内部対策とは?
内部対策とは、Webサイトのテキストやタグ、構造などサイト内部の構造を整えることで検索上位表示を狙うSEO対策です。主にクローラーの巡回を促すこと、検索エンジンを対象としてWebサイトの情報を適切に伝えることの2点を目的に実施します。
SEOの内部対策は、外部対策とコンテンツSEOを併せて実践することで検索結果の上位表示を実現し、Webサイトの集客力を高めることが可能です。
以下では、SEOの内部施策が重要となる理由について解説します。
2-1.SEOの内部対策が重要な理由
Googleなどの検索エンジンは、クローラーの巡回で収集した情報をデータベースに登録します。Webサイトの質を評価することで、検索結果の掲載順位を決めるメカニズムです。競合サイトより優良な情報を提供しているWebサイトでも、SEOの内部対策を怠ると上位に表示されない恐れがあります。
SEOの内部対策は、自社サイトは優良な情報を提供するサイトであると検索エンジンに伝えるために必要な施策です。検索結果の上位表示を実現し、より多くの方に作成したコンテンツを見てもらうためにも、適切な内部対策を実践しましょう。
3.【SEOの内部対策その1】クローラーの巡回を増やす
SEOの内部対策でクローラーの巡回を促すことは、検索エンジンにWebサイトの存在を伝え、データベースへの登録を受けるために必要な対策です。データベースに登録されることで、Webサイトが検索結果に表示されます。
検索結果にWebサイトを表示するために、XMLサイトマップを設定・送信したりWebサイトの構造を変更したりしてWebサイトの存在を検索エンジンにアピールしましょう。
以下では、クローラーの巡回を促す内部対策の具体的な手法を解説します。
3-1.XMLサイトマップを設定・送信する
XMLサイトマップとは、Webサイトの構造やコンテンツをクローラーに伝えるために作成するファイルのことです。クローラーがサイトを巡回し1ページずつ確認していくのには時間がかかるため、サイトの構造を1つにまとめてクローラーが巡回しやすくなるように作成します。
XMLサイトマップは、無料の自動作成ツール「sitemap.xml Editor」やWordPressのプラグイン「Google XML Sitemaps」などで作成可能です。作成したらサーバー上にアップロードします。その後、Google Search Console(サーチコンソール)の「クロール>サイトマップ」から、XMLサイトマップの存在を伝えましょう。
ページ数の多いWebサイトや被リンクの少ないWebサイトは特に、XMLサイトマップを作成することが大切です。新規ページを作成したり商品情報やサービス紹介ページを更新したりした場合は、XMLサイトマップにも反映し、再送信しましょう。
3-2.内部リンクを最適化する
クローラーは内部リンクをめぐってサイトの情報を集めるため、正しく内部リンクを設置することで、クローラーの巡回がスムーズになります。そのため、関連性の高い内容のページがあれば、内部リンクを設置しましょう。
内部リンクの設置は内部リンクを最適化することでクローリングがスムーズになるだけでなく、ユーザーのサイト回遊率を高められるというのも利点です。内部リンクを設置するときは、アンカーテキストにリンク先の内容を記述するとSEO的にも評価を得やすくなります。
3-3.構造化データをマークアップする
構造化データのマークアップとは、Webページ内のテキストに特別な意味合いをタグで付け加えることを言います。構造化データのマークアップをすることで、クローラーはWebページの内容をより深く、正確に認識できるようになります。
たとえば、弊社名である「グランネット」という言葉をWebサイトに記載したとします。「グランネット」をマークアップしていないと、検索エンジンは「グランネット」が会社名であると認識しません。マークアップをすることで、「グランネット」を会社名として、検索エンジンが理解できるようになります。
マークアップをするには、「手書きでマークアップをする方法」と「支援ツールを活用する方法」があります。ツールを使えば楽に作成できますが、機能に限界があるため必要に応じて手書きで補うのがおすすめです。
3-4.すべて2クリック以内でアクセスできる構造にする
Webサイトの階層構造がシンプルであるほどクローラーの巡回を促進しやすく、末端ページを含め、隈なくデータベースに登録される可能性が高いと言えます。シンプルな階層構造とは、トップページから2クリック以内でアクセスできる階層構造(最高で3階層以内の構造)です。
■3階層以内の構造のWebサイトの具体例
トップページ>カテゴリーページ>個別ページ
カテゴリーページの名称にキーワードを使用することも、有効なSEO対策の1つです。たとえば、レディース服通販サイトの場合は、「ワンピース」や「トップス」などをカテゴリーページの名称に使用することで、SEO効果を狙えます。
3-5.各ページにパンくずリストを設置する
パンくずリストとは、Webサイトを見ているユーザーが現在Webサイト内のどこにいるのかを知らせる表示のことです。パンくずリストはユーザーの利便性だけでなく、クローラーがサイト構造を理解するのにも役立ちます。そのため、Webサイト内のすべてのページにパンくずリストを設置し、下記のような情報を検索エンジンに伝えましょう。
■パンくずリストの役割
- 現在のページはWebサイト内のどこに位置するか
- Webサイトにおいて重要性の高いページはどれか
- Webサイトのメインコンテンツはなにか
- Webサイトの全体構造はどのようなものか
パンくずリストを有効に機能させるためには、Webサイトの階層構造(ディレクトリ構造)を反映することが大切です。階層構造の見直しとともにパンくずリストの書き方を検討し、SEOの内部対策を進めましょう。
3-6.SSL化を適用する
SSL(Secure Sockets Layer)化は、ページを暗号化し通信を安全に行うためのものです。SSL化するとWEBサイトのURLがhttpからhttpsに代わり、ロックがかかります。
Googleはサイト情報や個人情報を保護するために、2017年1月に「httpsに暗号化されていないサイトには警告を表示する」とアナウンスしています。現在ではSSL化できていないサイトはSEO的にもマイナスの影響を受けています。
SSL化していないとSEO評価が下がってしまうほか、個人情報やデータを盗まれるリスクがあるので、SSL化の適用は重要です。
3-7.URLを正規化する
URLの正規化とは、複数あるURLを1つに統一することです。複数のURLで同じ内容のページがある場合、検索エンジンの評価が分散したり、Googleから重複URLとみなされクロールの頻度が下がったりするデメリットがあります。内容が重複しているページがある場合は1つにまとめましょう。
URLの正規化には、URLを1つにまとめて他のページは削除して404で返すか、301で正規URLに飛ばすといった方法があります。他にも「canonicalタグ」を付けて評価を別URLに集める方法もあります。
ただし、「robots.txt」はクローリングを拒否するときに使用するテキストファイルのため、正規化の処理では使用しないようにしましょう。
3-8.robots.txtを設置する
robots.txtとは、指定したページをクロールしないように検索エンジンに伝えるファイルのことです。
クローラーに巡回させる必要のないページや、巡回させたくないページには、robots.txtを設置し、クローラーの巡回をブロックしましょう。低品質なページや重複コンテンツはクローリングされなくなり、サイトの評価が下がるのを防げます。
robots.txt設置の手順は以下の通りです。
1 | robots.txtという名前のファイルを作成する |
---|---|
2 | robots.txtファイルにルールを追加する |
3 | サイトにrobots.txtファイルをアップロードする |
4 | robots.txtをテストする |
3-9.ナビゲーションや内部リンクはテキストにする
SEOの内部対策では、画像リンクを極力避け、テキストに置き換える方法が推奨されます。画像で作成されたナビゲーションはテキストに置き換え、CSSで装飾しましょう。Webサイトのページとページをつなぐ内部リンクについても同様です。画像リンクはテキストリンクに置き換えて、検索エンジンのWebサイトの理解を後押ししましょう。
画像リンクをテキストリンクに置き換える際は、下記の注意点を守ることも大切なポイントです。
■画像リンクをテキストリンクに置き換える際の注意点
- リンク先の内容と関連性が高く、具体的な内容を記述する
- リンク先の内容を踏まえ、キーワードを含める
「詳細はこちら」といった文字にリンクを張ることは、適切とは言えません。キーワードを含めたリンクで関連性の高いページ同士を結び、検索エンジンに情報伝達しましょう。
4.【SEOの内部対策その2】サイト情報を適切に伝える
Webサイトの情報を適切に伝えることは、検索エンジンの適正評価を助けるために必要な施策です。意識的に施策を実践することにより、価値あるコンテンツが適正に評価され、上位表示される可能性が高まります。
以下のような内部対策を実践し、検索エンジンの適正評価を促しましょう。
4-1.メタディスクリプションを最適化する
メタディスクリプションとは、インターネットで検索を行った際にページタイトルの下に表示される説明文のことです。メタディスクリプションは、検索ユーザーに対してページの内容を伝えることと、検索エンジンにページの内容を伝える役割を担っています。
メタディスクリプションは全角100〜120文字程度で設定されていることが望ましく、特に前半部分が重要です。検索結果ページに太文字で表示される可能性があるため、出来る限りキーワードを含めて作成しましょう。
4-2.タイトルはキーワードを入れてh1で設定する
Webページのタイトルにはキーワードを盛り込み、h1タグを設定しましょう。h1タグとは、原則的に1ページに1個のルールで設定する最も重要な見出しタグです。下記のように記載し、h1タグを設定します。
■h1タグの設定例
<h1>Webページのタイトル</h1>
上記における「Webページのタイトル」は、検索結果に表示されるページタイトル(title要素の内容)やサイトタイトルとは異なります。Webページの内容を如実に示すタイトルを設定し、検索エンジンや検索ユーザーに対して、なにについて記載されたWebページであるかを伝えましょう。
4-3.h2やh3などの見出しタグを構造化する
SEOの内部対策では、h2やh3などの見出しタグを適切に使用し、Webページの構造の整理が求められます。GoogleもHタグの設定を推奨しており、「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」には下記のように記載されています。
わかりやすい見出しを使用して重要なトピックを示すと、コンテンツの階層構造が作成され、ユーザーがドキュメント内を移動しやすくなります。
見出しタグは意味のある場所で使用してください。ページ上の見出しが多すぎると、ユーザーがコンテンツを読みにくくなり、1 つのトピックがどこで終了して次のトピックがどこから始まっているのか判断しにくくなります。
引用:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」/引用日2023/06/08
見出しタグを効果的に利用するには、下記のことに気を付ける必要があります。
- h1からh6まで6段階あり、数字が小さい方から順番に使う
- h6までを必ずしも設定する必要はない
- h1タグをページの内容に合わせて設定することが重要
また、下記のような見出しタグの使い方は、SEO対策上でネガティブに働くリスクがあります。
- 長い説明文に見出しタグを設定する
- 見た目を整えるため、見出しタグを設定する
- 過剰な数の見出しタグを設定する
見出しタグはあくまでも、文章の構造を分かりやすく伝える役割を担います。必要以上の数を設定したり、見た目を整えるために使用したりすることは避けましょう。
4-4.画像はファイル名・alt属性を設定する
画像には適切なファイル名を設定し、alt属性を付けましょう。alt属性とは、リンク切れなどによって画像が表示されない場合の代替テキストを指定する属性を意味します。GoogleのSEOスターターガイドによると、画像リンクではalt属性に設定した内容がアンカーテキスト同様の役割を担います。
出典:Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」
alt属性の設定は、HTMLで <img src=”image.jpg” alt=”画像の内容” />のコードを入力します。関連する文章の近くに画像を挿入すること、ファイル名も関連するものを入力することがポイントです。
また、画像ファイル名には「img01.jpg」など曖昧な記述を避け、画像ファイルの内容を端的に説明する具体的な名称を付けましょう。画像ファイルを多く使用するWebサイトでは、名前の付け方をあらかじめ決め、ルールに沿って運用する方法がおすすめです。
まとめ
SEOの内部対策では、XMLサイトマップを送信したり見出しタグの設定方法を改善したりしてクローラーの巡回を促し、ページの評価を高めることが大切です。
Webページの内部対策を万全することは、検索エンジン経由のトラフィック(Webページの表示数やユーザー数)を増やすための基本と言えます。Webサイトの構成や画像ファイル名の付け方を今一度見直し、パンくずリストの設置や見出しタグの構造化を進めることで、理想の成果の出るWebサイトを目指してください。