AI Overviewとは?仕組み・出現条件とCTRへの影響・対策

Google検索では、AI Overviewの回答だけでユーザーの情報収集が完結する「ゼロクリック検索」が増えています。検索順位を維持していても、AI Overviewの表示によってクリック率が下がる可能性があります。そのため、従来のSEOに加えて、AI Overviewへの引用やゼロクリック検索を想定した対策が必要です。
この記事では、AI Overviewの仕組みや表示されやすい検索意図、CTRへの影響を解説します。引用されるコンテンツの特徴や、AI Overviewに引用されていない記事の改善方法、Search ConsoleとAhrefsを使って影響を測定する方法まで紹介します。
- AI Overviewは、生成AIと既存の検索システムを組み合わせ、検索内容に対する回答の概要を表示する機能
- AI Overviewは、質問形式の検索や複数の語句を含む検索など、情報収集を目的としたクエリで表示されやすい
- AI Overviewへの対策の基本は、通常のSEOと変わらない。検索意図に対する答えを本文の早い段階で示し、一次情報や独自調査、比較表など、ほかのページにはない情報を加える
1. AI Overviewとは?
AI Overview(AIによる概要)は、Google検索が生成AIを使い、検索したトピックや質問に関する主な情報をまとめて表示する機能です。ユーザーは複数のWebページを個別に開く前に、検索結果の画面で概要を確認できます。回答には、関連するWebページへのリンクも表示されます。
Googleは2024年5月にAI Overviewを米国で公開、2024年8月16日には日本を含む6か国への展開が発表され、日本語にも対応しました。日本では、発表後数週間をかけて段階的に導入されています。
なお、AI Overviewは、Googleのシステムが生成AIによる回答が特に役立つと判断した検索に限って表示されるため、検索する内容によっては表示されないこともあります。
1-1. AI Overviewの仕組み
AI Overviewは、Googleの生成AIと既存の検索システムを組み合わせて回答を生成します。検索結果の品質や安全性を支える既存のシステムも、回答や関連リンクの選定に使われています。
回答を生成する際には、「query fan-out(クエリ・ファンアウト)」という技術が使われる場合があります。これは、元の質問に関連する検索を複数実行し、サブトピックやデータソースを幅広く調べる技術です。Googleのモデルは、その過程で回答の参考となりそうなWebページを見つけ、主な情報と関連リンクを検索結果に表示します。
なお、AI OverviewはあくまでもAIが生成した情報にすぎないため、実際にサイトに載っている内容と、表示されている内容がまったく違ったものになるケースがあります。特に、Googleが検索エンジンで利用するBotが理解しやすいようなサイト構造になっていないWebサイトでは、AIが誤って内容を解釈することが増えるため、誤情報が表示されるリスクが高まりやすいです。
1-2. AI OverviewとSGE(Search Generative Experience)の違い
SGEは、GoogleがSearch Labsで試験していた生成AI検索機能です。日本では、2023年8月30日に日本語版の試験運用が始まりました。一方、AI Overviewは2024年から一般のGoogle検索に導入されています。
SGEは希望者が登録して利用する試験段階の機能であるのに対し、AI Overviewは、一般のGoogle検索に組み込まれている点が大きく異なります。
AI OverviewとSGEの違い
| 比較項目 | AI Overview | SGE |
|---|---|---|
| 位置づけ | Google検索に組み込まれた機能 | Search Labsの試験機能 |
| 日本での展開 | 2024年8月16日に発表 | 2023年8月30日に試験運用を開始 |
| 利用方法 | 対象となる検索で自動的に表示 | Search Labsへの登録が必要 |
| 主な表示内容 | AIによる概要と関連リンク | AIによる概要、関連リンク、追加質問の候補など |
2. AI Overviewはどのような検索で表示される?
AI Overviewは、何かを調べたり、疑問への答えを探したりする、いわゆる情報収集型の検索で多く表示されています。Ahrefsが2025年9月に1億4,600万件を超えるデスクトップ検索結果を分析したところ、全キーワードの20.5%でAI Overviewが確認されました。
出典:ahrefs blog「What Triggers AI Overviews? 86 Factors and 146 Million SERPs Analyzed/」
ただし、Ahrefsの20.5%という表示率は2025年9月のデスクトップ検索結果に基づくため、現在の表示率は異なる可能性があります。特に、「AIによる概要」に記載された誤情報について、Google側に責任があるという判決がドイツで出た現在、AI Overviewの表示率が低下する可能性は高いと言えます。とはいえ、表示の傾向は大きく変わっていないであろうため、参考になるでしょう。
出典:朝日新聞「『AIによる概要』、グーグルの法的責任は? ドイツの裁判所が判断」
以下では、AI Overviewの表示されやすいクエリについて解説します。
2-1. 情報収集型の検索(インフォメーショナルクエリ)で表示されやすい
Ahrefsの調査では、AI Overviewが表示されたキーワードの99.9%に、情報を調べる意図が含まれていました。
質問形式の検索では57.9%にAI Overviewが表示され、質問形式ではない検索の15.5%を上回りました。検索語が長くなるほど表示率も高まり、7語以上では46.4%に達しています。「~とは」「~の方法」「~の違い」「~を比較」のように、知りたい内容を具体的に示す検索が該当します。
検索する分野によっても差があり、科学分野では43.6%、健康分野では43.0%でした。YMYL(Your Money or Your Life:金融や健康などのユーザーの生活を左右するジャンルのこと)領域でも、医療分野では44.1%に表示されています。
出典:ahrefs blog「What Triggers AI Overviews? 86 Factors and 146 Million SERPs Analyzed/
また、Pew Research Centerの調査でも、検索語が長い場合や質問文になっている場合は、AIによる概要の表示率が高いという結果が出ています。インフォメーショナルクエリの検索語を想定して記事を作る場合は、通常の検索順位とあわせてAI Overviewの有無も確認する必要があるでしょう。
2-2. 購入・指名・場所の検索(ナビゲーショナルクエリ・トランザクショナルクエリ)では表示されにくい
商品を購入する、特定の企業サイトを開く、近くの店舗を探すといった検索クエリでは、情報収集型ほどAI Overviewは表示されていません。
Ahrefsの調査では、購入前の比較や検討を目的とする商業型の検索で4.3%、購入や申し込みを目的とする取引型で2.1%、特定のサイトを探す案内型で0.9%でした。分野別では買い物が3.2%、不動産が5.8%です。店舗や施設を探すローカル検索も7.9%にとどまっています。
出典:ahrefs blog「What Triggers AI Overviews? 86 Factors and 146 Million SERPs Analyzed/
ただし、Semrushの調査では、2024年10月から2025年10月にかけて、AI Overviewが表示されたキーワードに占める商業型・取引型・案内型の割合がいずれも上昇しています。現在は表示されていない購入・指名検索でも、今後同じ状態が続くとは断定できません。SEOの対象となるキーワードについては、検索結果を定期的に確認する必要があります。
出典:Semrush「Semrush AI Overviews Study: What 2025 SEO Data Tells Us About Google’s Search Shift」
3. AI Overviewはクリック率にどう影響する?
Ahrefsが2026年6月の検索結果を調べたところ、AI Overviewが表示される情報収集系のキーワードでは、検索1位のCTRが大きく下がっていました。日本の低下率は62.7%、米国は68.8%です。
すべての検索意図や順位に当てはまる結果ではないものの、SEOの中心となる情報収集型のクエリにおいてクリック率が大きく低下した今、AI Overviewに表示されやすくなるような対策も行う必要があるでしょう。
3-1. 表示されると検索上位のクリック率は下がる
Ahrefsによる調査において、日本では、AI Overviewがなかった場合の予測CTRが24.1%だったのに対し、実際のCTRは9.0%と予測値を62.7%下回っています。米国でも、予測CTRの14.4%に対して実際は4.5%となり、差は68.8%に達しました。
日本の低下率は、2025年12月の38%から半年で62.7%まで変化しています。米国も同じ期間に58%から68.8%へ拡大しました。AI Overviewが表示される検索では、1位を維持していても、以前と同じクリック数を得られるとは限りません。
一方、日本でAI Overviewが表示されない検索1位のCTRは、2024年6月の31.1%から2026年6月の31.7%へわずかに上昇しています。つまり、検索1位のCTRが全体で同じように下がっているのではなく、AI Overviewが表示される検索ではクリック率が低下しています。
出典:ahrefs blog「AI 概要で Google 検索 1 位の CTR が半年で激減、日本 クリック率が − 62.7% に減少」
3-2. 引用されたページのクリック率は上がっている
AI Overviewが表示された検索でも、自社ページが引用されているかどうかでクリック数に差があります。Seer Interactiveの2026年調査では、情報収集系のクエリ100万インプレッション当たりのクリック数は、引用されたページが約20,743回、引用されなかったページが約9,445回でした。引用されたページのクリック数は約120%多い結果です。
出典:Seer Interactive「AIO Impact on Google CTR: 2026 Update」
もっとも、因果関係と相関関係は違うため、引用されたことでクリック率が上がったとまでは言いきれません。もともと検索評価やCTRの高いページが引用されているという解釈も可能です。とはいえ、どちらにしても検索評価やCTRを高める指標として、AI Overviewへの表示回数は使えるでしょう。SEOに力を入れるなら、AI Overviewへの引用を増やすような対策を行うのは合理的な施策です。
4. AI Overviewに引用されるコンテンツと引用されないコンテンツの違い
AI Overviewへの引用を目指すには、基本としてSEOに取り組み、検索意図への回答と、その根拠となる独自情報を明確に示すことが重要です。
Googleは、AI OverviewやAIモードでも従来のSEOの基本が有効であり、特別な最適化は必要ないと説明しています。
出典:Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」
したがって、以下のようなSEOにおける王道の施策を行うことで、AI Overviewに引用される可能性を高められるでしょう。
| 引用されやすいコンテンツ | 改善が必要なコンテンツ | |
|---|---|---|
| 結論ファースト | 見出し直下で質問への答えを示し、その後に理由や補足を説明している | 前置きが長く、どこに答えがあるのか分かりにくい |
| 一次情報や独自の見解 | 自社の調査、事例、実測データ、専門家の経験など、独自の情報や根拠がある | 既存のサイト内容の言い換えや要約が中心で、独自の情報や考察が乏しい |
| 表や箇条書きによる情報整理 | 数値や条件を比較でき、出典・調査対象・調査時点も分かる | 数値や条件が長い文章に埋もれ、比較や根拠の確認に手間がかかる |
| 基本的なSEOへの対応 | 検索意図に沿った見出しと本文があり、内部リンクやクロール・インデックス登録の状態も整っている | 見出しと本文が対応していない、内部リンクが不足している、クロールが妨げられているなどの問題がある |
| 経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T) | 執筆者・監修者の経験や専門性、運営主体、情報源を確認できる | 誰が、どのような経験や根拠に基づいて書いた情報なのか分からない |
たとえ検索順位が高くても、AI Overviewに必ず引用されるわけではありません。AI Overviewでは、関連する複数の話題や情報源を検索する「クエリファンアウト」が使われる場合があります。そのため、通常の検索結果とは異なるページが、回答の根拠として選ばれることもあります。
グランネットの調査では、「車の名義変更のやり方」を100回検索したところ、通常検索7位のページがAI Overviewの最上位に高い確率で引用され、2位のページは引用されない事例がありました。
もっとも、AI Overviewが引用したのは、ページの冒頭付近にある「車の名義変更のやり方」へのずばりの回答、比較表、FAQ部分でした。したがって、「見出しと本文の内容を対応させ、質問への答えを早い段階で明記する」「比較項目や複数の条件は、必要に応じて表や箇条書きで示す」など、Googleが示している要件を満たすことは、AI Overviewへの対策として有用な可能性が高いでしょう。
記事を見直す際は、各見出しの直下に質問への答えを置き、その近くにデータや事例、出典を添えてください。数値や条件を比べる箇所には表を使い、何を根拠に結論を述べているのか分かるようにしましょう。
技術面では、ページがGoogleにインデックス登録され、通常の検索でスニペットを表示できる状態であることが必要です。あわせて、以下の点を確認してください。
- robots.txtでGoogleのクロールを妨げていないか
- CDNやホスティング環境でGoogleからのアクセスを遮断していないか
- サイト内のリンクから対象ページへたどれるか
AI専用のファイルや、特別なschema.orgの構造化データを追加する必要はありません。
5. AI Overviewで露出できていない記事をどう改善する?
AI Overviewで露出できていない記事は、引用改善だけでなく、ゼロクリック検索を前提に流入経路とコンバージョン設計も見直す必要があります。AI Overviewに表示されている競合サイトと比較して、自社の記事に独自性はあるか、問いに対してずばりの解答を行っているかをチェックしましょう。
SparkToroによる調査では、2026年1~4月のデスクトップおよびモバイルブラウザからのGoogle検索の68.01%は、リンクがクリックされないまま終了していました。検索順位を維持できていても、クリック率が低下すれば、コンバージョン数も減少する可能性があります。
つまり、今後は検索結果内で調査を終えるユーザーへの対応が必要と言えるでしょう。
出典:SPARKTORO「In 2026, Less than One Third of Google Searches Still Send a Click」
5-1. 指名検索や直接流入を増やす
指名検索を増やすためには、自社名とともに引用・共有される独自情報を記事へ加えましょう。
- 独自調査の名称や調査主体に自社名を明記する
- 自社の支援事例から得た、条件別の判断基準を公開する
- 氏名や所属を明記した専門家の解説を掲載する
既存情報の要約にとどまる記事では、発信元の違いが伝わりません。自社が調査・検証した情報を明示し、記事のテーマと企業名を結び付けてください。効果を測る際は、Search Consoleで社名やサービス名を含む検索クエリの表示回数とクリック数をチェックします。直接流入については、アクセス解析ツールで推移を確認できます。
5-2. SNS・メールなどクリックに依存しない導線を持つ
検索結果からの流入に依存しないよう、記事の内容をSNSやメールにも展開しましょう。記事のURLを告知する投稿では、リンクを開かない人に内容が伝わりません。各媒体の中で要点を理解できる形に加工することが必要です。
SNSの場合、調査結果は主な数値が分かる図表、ノウハウは1つの手順が完結する画像、専門家の解説は動画やメールに展開するのがおすすめです。その上で、調査条件や全データ、詳しい手順、記入用の資料を確認したい人をWebサイトへ誘導しましょう。SNSやメールで情報発信を続ければ、クリック率が変動した場合にも自社と接触する機会を確保できます。
5-3. コンバージョンへの導線をページに追加する
サイトへの流入が減るほど、記事を訪れた人を問い合わせや資料請求につなげる設計の重要性が高まります。各記事では、読者に促す次の行動を検索意図に合わせて決め、CTA(行動喚起)を配置しましょう。
複数のサービスを比較している読者には、サービス一覧や個別相談のリンク、具体的な方法を調べている読者には、手順を説明した後にホワイトペーパーなどの自社資料のリンクを貼りましょう。
CTAは、読者が次の行動を判断できる情報を得た直後に置きましょう。例えば、比較表の下や手順の説明後、事例を紹介した後などが理想的です。ただ、あまりにもCTAが多いと読者がうっとうしく感じて離脱してしまうため、記事内で同じCTAを繰り返し貼るのではなく、読者の疑問への直接的な回答となるCTAを挿入するのがおすすめです。
5-4. AIが圧縮できないコンテンツを作る
AI Overviewでユーザーがクリックをやめるのは、身も蓋もない書き方をすれば記事がAIによって要約できる程度の薄い情報しかないためです。記事を開いて熟読したくなるような、以下のような独自性の高い情報を伝えましょう。
- 調査方法や対象者数を明記した自社調査
- 条件や手順を公開した検証結果
- 判断の根拠を含む専門家の見解
- 実施過程や数値を詳しく記載した事例
- 条件を入力して結果を確認できる計算・診断ツール
- ダウンロードして使えるチェックリストや記入用のひな形
既存記事を改修する際は、独自情報やサイト上で利用できる機能から優先して追加しましょう。AIに丸投げすれば書けるような、どこのサイトにもあるような用語解説や、誰でも書けるような手順の解説などは、不足している情報を補う範囲にとどめておくのが無難です。
6. AI Overviewの影響をどう測定する?
AI Overviewの影響は、AI Overviewへの表示・引用状況と、通常の検索パフォーマンスを分けて確認しましょう。表示状況はSearch Consoleの専用レポートとAhrefs、クリックの変化はSearch Consoleの検索パフォーマンスレポートで調べられます。
Googleは2026年6月3日、Search Consoleに、AI OverviewとAI Modeに自社ページへのリンクが表示された回数や、表示されたページ、国、デバイス、日付を確認できる「生成AIパフォーマンス レポート」を追加しました。ただ、このレポートではクリック数やCTRが表示されません。加えて、AI OverviewとAI Modeの数値も分かれていないため、Search Consoleの検索パフォーマンスレポートやAhrefsの引用データと照らし合わせて影響を推定する必要があります。
6-1. 自社KWがAIO表示されているかを確認する
最初に、Ahrefsを使ってAI Overviewが表示されるキーワードと、その中で自社サイトが引用されているキーワードを特定しましょう。この2つを区別すると、AI Overview自体の表示状況と自社サイトの露出状況を確認できます。
AhrefsのSite Explorerに自社ドメインを入力し、「AI citations」からBrand Radarを開くと、自社サイトを引用しているAI Overviewや引用元のページを確認できます。Organic Keywordsでは、「SERP features」から「AI Overview」を指定すると、AI Overviewが表示される検索キーワードを抽出可能です。
自社サイトが引用されているキーワードに絞る場合は、「SERP features」「Current」「Include target in」「AI Overview」の順に条件を指定します。キーワードごとに、AI Overviewの表示有無、自社サイトの引用有無、引用されているページが出てくるため、レポートとして残しておきましょう。
6-2. GSCでAIO経由の流入を把握する
Search Consoleでは、AI Overview経由のクリック数を個別に確認できません。そのため、AI Overviewが表示されるキーワードと表示されないキーワードを比較し、CTRの差から影響を推定する必要があります。
基本的なやり方としては、Ahrefsでチェックしたキーワードを、「AI Overviewが表示される群(AIO表示群)」と「AI Overviewが表示されない群(AIO非表示群)」に分けるやり方がおすすめです。
- AIO表示群:検索結果にAI Overviewが表示されるキーワード
- AIO非表示群:検索意図や平均掲載順位が近く、AI Overviewが表示されないキーワード
指名検索と一般検索ではCTRが大きく異なるため、グループを分けてください。国やデバイスによる差を避けるため、Search Consoleでは対象国を固定し、パソコンとモバイルも分けて集計しましょう。
AI Overview表示群とAI Overview非表示群を作成した後、AhrefsでAI Overviewを初めて検出した日を基準に、表示前後のデータを比較します。例えば、検出前の28日間と検出後の28日間を対象とし、次の数値をSearch Consoleから取得してください。
- クリック数
- クリック率(CTR)
- 表示回数
- 平均掲載順位
AI Overview表示群とAI Overview非表示群の前後データを取得したら、「AI Overview表示群のCTR変化-AI Overview非表示群のCTR変化」の計算式によって影響を推定できます。
例えば、AIO表示群のCTRが6.0%から3.8%へ低下し、AIO非表示群のCTRが5.8%から5.2%へ低下した場合、計算は以下のようになります。
- AIO表示群の変化:3.8%-6.0%=-2.2ポイント
- AIO非表示群の変化:5.2%-5.8%=-0.6ポイント
- AIOの推定影響:-2.2-(-0.6)=-1.6ポイント
AI Overview表示群とAI Overview非表示群に共通する0.6ポイントのマイナスを差し引くと、AI OverviewによってCTRが1.6ポイント低下した可能性があると判断できます。
例えば、検出後の表示回数が20,000回であれば、クリック数への影響は「20,000回×1.6%=320クリック」となり、AI Overviewの表示によって約320クリック減少した可能性があると結論付けられます。
AI Overview表示群とAI Overview非表示群の差を毎月記録すれば、AI Overviewの表示開始後にクリックがどの程度減ったのか、自社サイトへの引用によって減少幅が変わったのかを継続して確認できます。
数字の変化から記事を改善する場合、以下のように変化に基づいて判断を下すとよいでしょう。
AI Overviewによる判断の基準
| 確認できた変化 | 考えられる原因 |
|---|---|
| AIO表示群のCTRのみが大きく低下し、掲載順位は維持 | AI Overviewの影響 |
| AIO表示群と比較群のCTRが同程度に低下 | AI Overview以外の共通要因 |
| CTRは変わらず、平均掲載順位が低下 | 検索順位の低下 |
| CTRは維持され、表示回数が減少 | 検索需要の減少 |
| AIOに引用された後、CTRの低下幅が縮小 | 引用によってクリック減少が抑えられた可能性 |
7. AI Overviewについてのよくある質問と回答(Q&A)
Q:AI OverviewとAIモードは何が違いますか?
AI Overviewは、通常の検索結果に挿入されるAI生成の概要です。検索結果の一部として表示され、回答の根拠となるWebページへのリンクも掲載されます。
AIモードは、Google検索内で利用できる対話形式の検索機能です。回答を確認した後に追加の質問ができ、最初の質問内容を引き継いだまま比較や条件の追加を続けられます。概要を短時間で確認する場合はAI Overview、複数の条件を指定しながら調べる場合はAIモードという違いがあります。
Q:AI Overviewは非表示にできますか?
AI Overviewを設定で完全に無効化することはできません。ただし、検索後に「ウェブ」フィルタを選択すると、AI Overviewやナレッジパネルなどを除いたテキストリンク中心の検索結果へ切り替えられます。
Google Labsの「検索におけるAI」をオフにしても、通常の検索結果に表示されるAI Overviewは無効になりません。Labsで変更できるのは、試験運用中のAI機能に関する設定です。
Q:AI Overviewの情報は正確ですか?
生成AIは事実誤認や質問の取り違えを起こすことがあり、正確とは言いがたい部分があります。そのため、AI Overviewが正しい情報を理解しやすくなるよう、SEOの技術に沿って記事を作る必要があります。
Q:AI Overviewは何を検索するときに出やすいですか?
質問形式の検索や、複数の条件を含む長い検索語で表示される割合が高い傾向があります。Ahrefsは、2025年9月に取得した約1億4,600万件のデスクトップ検索結果を分析しています。この調査では、質問形式の検索の57.9%、7語以上で構成された検索の46.4%にAI Overviewが表示されました。
Q:AI Overviewに引用されるにはどうすればいいですか?
AI Overviewに表示されるには、ページがインデックスに登録され、通常検索でスニペットを表示できる状態であることが必要です。その上で、Googleのアルゴリズムで価値のある高品質の記事と見なされやすいように、ユーザーの問いに答え、裏付けのある一次情報を発信するとよいでしょう。
Q:AI Overviewの時代でもSEOは必要ですか?
SEOは引き続き必要です。Googleの生成AI機能は、通常検索のランキングシステムと品質システムを利用して、検索インデックスから関連ページを取得しています。
AI Overviewへの露出を増やす場合も、クロール、インデックス登録、内部リンク、ページ品質、独自コンテンツといった、過去に行われていたSEO施策を継続するのが大切です。
まとめ
AI Overviewは、Googleが生成AIを使って検索内容への回答を作成し、参照したページへのリンクとともに表示する機能です。情報収集を目的とした検索で表示される割合が高く、検索上位の記事でもCTRが低下する傾向が確認されています。
SEO担当者は、通常の検索結果で評価されるコンテンツの品質を維持した上で、検索意図に対する明確な回答を記載する必要があります。一次情報や独自調査、比較表など、ほかの記事にはない情報を加えることも有効です。
AI Overview上で情報収集が完結する場合に備え、指名検索を増やす施策や、SNS・メールなど検索以外の流入経路も強化しましょう。サイトを訪れたユーザーを成果につなげるため、CTAの内容や配置も見直す必要があります。施策の効果は、Search ConsoleとAhrefsのデータを組み合わせ、検索順位・表示回数・CTR・AI Overviewへの引用状況を継続的に確認してください。



















