マーケティングに役立つフレームワーク8選|活用する目的も解説
ビジネスでは、さまざまな場面でフレームワークを活用した情報分析・企画立案などが行われています。マーケティングに役立つものも多く存在するため、「フレームワークに関する知識を身に付けたい」と考えているマーケティング担当者は多いのではないでしょうか。
この記事では、マーケティングにおける「戦略立案」「ロジカルシンキング」「目標達成・計画実行」の各シーンに役立つフレームワークを紹介します。実践的で役立つフレームワークの知識を身に付け、より説得力のあるプレゼンテーション・営業提案の実現を目指しましょう。
1. フレームワークを活用する目的
ビジネスにおけるフレームワークとは、状況やアイディア、情報などを図式化するための思考法・思考の枠組みを指します。マーケティングにおいては、すべての情報を漏れなく・素早く把握するために利用される傾向です。
マーケティングにおいてフレームワークを活用することには、下記のようなメリットがあります。
- 情報の精度が上がるため、営業やプレゼンテーションなどの場で説得力がアップする
- 効率よく問題分析ができ、課題解決・結論に早く辿り着けるため、行動を早く起こせる可能性が高まる
マーケティングにおいて有用なフレームワークの種類はいくつか存在しており、業務の内容によって適切に活用できるツールの種類が異なります。フレームワークをより有効に活用するためにも、状況別に適切なフレームワークの種類を把握することが重要です。
2. 戦略立案に役立つフレームワーク4選
販促戦略の立案などで活用できる代表的なフレームワークには、下記の4つがあります。
- 3C分析
- 4C分析
- SWOT分析
- バリューチェーン分析
ここでは、経営戦略や販売戦略といったビジネス戦略を立てる際に役立つ4つのフレームワークの概要を解説します。使用しやすいタイミングも併せて確認し、効果的なフレームワークの活用方法を取り入れましょう。
2-1. 3C分析
3C分析とは、「Customer(顧客・市場)」「Company(自社)」「Competetor(他社)」の3つの視点から現状を分析し、自社の課題を発見するフレームワークです。
自社が置かれている状況・環境を徹底的に分析でき、業界内・社会におけるポジションを客観的な認識で捉えられるため、競合企業と比較した弱みや強みを明確にできます。既存商品・既存サービスの市場価値や課題、競争要因を発見したいときなどに活用できるフレームワークです。
3C分析を行う際は、弱みや強み、顧客(消費者)のニーズといった情報・データを客観的に分析することが重要です。複数人で分析を行い、視点や情報の漏れを防ぎながら課題意識の共有を図りましょう。
2-2. 4C分析
4C分析とは、顧客にとっての製品やサービスの魅力・メリットを整理するための分析手法です。4つのCは「Customer Value(顧客価値)」「Cost(顧客の負担・経費)」「Convenience(顧客の利便性)」「Communication(顧客との対話)」を表しています。
4C分析では、自社製品・自社サービスや競合する他社の製品・サービスを顧客視点で分析し、顧客から見た自社商品・サービスの強みや弱みを把握することが可能です。3C分析よりも顧客視点で考えることが重視されるため、顧客ニーズについて深く考える必要がありますが、ニーズを丁寧に把握すれば企画立案がしやすくなるでしょう。
2-3. SWOT分析
SWOT分析とは、競合他社の脅威に対応するために、自社の強みを活用して弱みを克服する施策を検討する際に使えるフレームワークです。また、外部の環境を把握して、自社の立ち位置を明確にするときにも使われます。SWOT分析の要素は下記のとおりです。
〇内的環境要因(内部環境)
自社の「Strength(強み)」および「Weakness(弱み)」
〇外的環境要因(外部環境)
自社を取り巻く「Oppotunity(機会)」および「Threat(脅威)」
SWOT分析では、要素どうしを掛け合わせると差別化などの新戦略を打ち出すことが可能です(クロスSWOT分析)。3C分析などで強みや弱みに関する情報を収集した後に、会社の強みを活かす方法や、競合企業などの脅威を乗り越える方法を立案する手法として活用しましょう。
2-4. バリューチェーン分析
バリューチェーン分析とは、原材料の調達から顧客にサービスが提供されるまでのプロセスにおいて、価値・利益が生じる段階やコストがかかる資源などを分析する手法です。コスト削減や業務効率化が図れるとともに、自社の強みや弱みを明確にできるため、新たな企画を立案したいときに活用できるでしょう。
3. ロジカルシンキングに役立つフレームワーク2選
ロジカルシンキングの場面で活用できるフレームワークには、下記の2つがあります。
- MECE
- ロジックツリー
ここでは、上記2つのフレームワークの概要を解説します。MECEやロジックツリーを有効に活用し、課題解決や新しいアイディアの創出を目指しましょう。
3-1. MECE
MECE(ミーシー/メーシー)とは、情報整理の際に「それぞれの情報に重なりがなく全体を見たときに漏れがない状態」となるように分析するフレームワークの手法です。MECEは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取って命名された方法であり、アイディアや思考に漏れや重複がないかチェックできます。
MECEを活用すると、物事を深く効率よく考えることができるため、新たなアイディアを考える際に役立つでしょう。MECEを活用する際には、階層や課題対応の切り口、立ち位置のズレなどの混在がないよう注意してください。
3-2. ロジックツリー
ロジックツリー(ロジックツリー分析)とは、規模の大きな課題や原因を起点として、1つの要素ごとに考えられる現象・課題を細分化してツリー状に展開する分析方法です。ロジックツリーは、問題の解決策・対応策を考える際によく利用されています。
ロジックツリーを作成すると、大きな課題や原因をつくる要素をMECEの状態に分けたうえで、網羅的に把握できるメリットがあります。問題解決の糸口をつかむこともできるため、大きな課題への適切なアプローチ・対応を決定したいときに活用してみましょう。
4. 目標達成・計画実行に役立つフレームワーク2選
マーケティングの仕事は、企画の立案までで完了するわけではありません。企画を実行に移すことや、目標を達成するために課題解決を図ることも重要なポイントです。目標達成や計画実行に有用なフレームワークには、下記の2つがあります。
- PDCA
- SMART
ここでは、上記の2つのフレームワークについて解説します。
4-1. PDCA
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action/Act(改善)」という一連の流れを繰り返し、業務内容の改善を図る仕組みです。
PDCAサイクルを何度も回すことで、企画やアイディアを適宜修正することができます。ミスの減少や完成度の高い企画の立案、目標達成までの期間短縮といった効果が望めるでしょう。
4-2. SMART
SMARTとは、企画やアイディアを成功につなげるために不可欠な「目標設定」に活用できるフレームワークです。目標を設定する際には、SMARTという名称の由来となった5つの要素(分析項目)を満たしているかどうかをチェックすることが重要です。
- Specific(具体的か)
- Measurable(測定できるか)
- Attainable(達成できるか)
- Result-based(成果を重視しているか)
- Time-bound(期限が明確か)
SMARTの手法を活用して適切な難易度の目標を設定し、社員のモチベーションアップを図りつつ、成果のクオリティ向上を目指しましょう。
まとめ
マーケティング活動でフレームワークを活用して物事を考えることには、「情報が整理される」「効率よく問題分析ができる」といったメリットがあります。適切な手法を適切なタイミングで活用できるよう、各フレームワークの特徴を理解することが大切です。
また、1つのフレームワークを利用しただけでは、情報の漏れや視点の抜けが発生する恐れがあります。複数のフレームワークを組み合わせて活用し、より完成度の高い企画を立案して方向性を定め、企画やアイディアを成功に導きましょう。
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